今回は「修学旅行のしおり」について
解説していきたいと思います。
修学旅行のしおり
私は関東在住で中学校の修学旅行は
定番「2泊3日の京都・奈良」でした。
1日目は奈良で鹿とふれあい
2日目は京都市内を班で自由行動
3日目は清水寺に行ったっけな…
みなさんは修学旅行
どこにいってなにをしたか
思い出せますか…?
そしてさらには
「修学旅行のしおり」
なにが書いてあったでしょうか。
多くの人にはもう縁のないことですよね!
しかし、
ツアーナースとして学校行事に同行する
私にとっては
とても身近で大事なものなんです。
しおりがどれだけ大事か
紹介していきたいと思います。
あくまでも私が体験した
一例になりますご了承ください。

表紙
・〇〇中学校
・修学旅行タイトル
・日付(期間)
・学年、名前を書く欄
表紙や裏表紙は生徒さんによって
デザインされたものだったり、
挿絵に生徒さんの書いた絵が
載っていたりしますね。
そういえば、
美術の時間に修学旅行のしおりを
デザインする課題があったような…
クラス別で表紙の色が違ったり
個性豊かな表紙がしおりの特徴です。
目次
スローガンや目標
事前学習で考えた目標や
学年目標がが載っています。
一緒に校歌やテーマソングの歌詞を
載せているしおりもありました。
修学旅行中のルール
・宿でのマナー
・公共機関の乗り方
・道の歩き方
・班行動について
この辺は一般の人もいるので
配慮してくださいという内容から
〇〇生だという自覚をもって!
と書かれていることが多いイメージです。
たまに歴代の生徒が某宿で、
某施設でなにやら起こしたせいで
出入り禁止になった、
修学旅行のコースが変わった
と聞くことがあります…
服装
・制服は学校で来ている通りに着ましょう
つまりは、
修学旅行だからといって
スカートを短くしたり、
お化粧をしたり、
髪の毛をいじることのないように。
学校さんによっては、
朝の集合時に摘発されて
行程に参加できないこともあります。
この時間がお互いにもったいないので
気持ちはわかりますがどうか
ルールやマナーは守ってほしいです…。
カメラ
・携帯電話は不可
・カメラ可
という学校がほとんどです。
カメラは高価なものもあり
貴重品にあたるため管理に
注意が必要になることや
充電をする場合に
場所や時間帯の指定などもあります。
また、人を撮る場合は必ず許可を得ること、
SNSへ投稿時のネットマナーや
トラブルについて記載があります。
これはとても現代的な問題だなと思いました。
写ルンですやチェキで楽しむ、
または凌ぐ生徒さんもいたりします。
お菓子
・アメやガムのみ
・こぼすようなスナック系は禁止
といった種類指定
・3つまでといった個数指定
・500円までといった金額指定
・食べられる分だけ
といったルールが各学校さんであります。
いきと帰りの新幹線でのみ、
宿では食べてはいけないなど
食べるタイミングのルールに
ついてもかかれています。
そしてよくどうぞ!と貰います。笑
たまにみんながくれて
とんでもない量になったりもします。
お土産
予算、購入して良い場所や
タイミングについてルールが
提示されています。
お土産リストも添付してあり、
だれにどこでどのようなものを買うように
しっかりメモしている生徒もいますが
大半は空白ですね!
最近では荷物にならないように
お土産を事前に注文できたり、
配送してくれるサービス付き
なんてこともあります。
便利な世の中ですね!
たしかに大きい荷物を
遊びきった身体で運ぶのは
大人だって大変です。
入浴
・お風呂の場所の地図
・入る順番や時間が
しっかりと決まっています。
これがだいたい
1クラスまたは1グループあたり20分と
なかなかシビアなスケジュールなんですよね。
何かしらの理由で
みんなとお風呂に入れない生徒向けの案内も
しおりに載っていたりします。
その生徒さんの対応を看護師がしたりします。
あとは入浴時のマナーについて、
・浴槽に入る前は掛け湯をする
・髪の毛は浴槽についけない
・タオルを浴槽にいれない
・お風呂場では泳がない
・潜らない、走らない など…
基本だと思いますが意外と守れていない、
以前に知らない子がたくさんいます。
持ち物チェック表
レ点でチェックできるように
作成されていることが多いです。
キャリーケースまたは
大きなリュックに入れる宿泊道具。
・着替え、洗面用具など
旅行中に常に持ちあるく小さいバック。
・しおり、財布、時計、水筒など
キャリーケースなど
大きい荷物は事前に宿泊施設へ
郵送している学校さんが多いです。
必需品の他に、
あると便利・許可されているものとして
カメラ、常備薬、おかし、
パーティーグッズ、制汗剤、
日焼け止め、保湿クリームなど…
メンバー表
班長、副班長から
保健係、美化係、食事係といった役割
班別行動のメンバー表など
行程表
1日の予定流れが1枚になっていて
[時間][行程][動き][担当]
んどと別れて書いてあります。
7時 集合 組別で並ぶ 班長が声かけ
みたいな感じです。
学校さんによって
ざっくり書いてあったり
細かく書いてあったりします。
一例を挙げると
7時 集合 出発式
新幹線出発
おやつタイム(開始と終了)
新幹線到着
バス出発
バス到着
施設到着
クラス写真撮影
施設出発
宿泊施設到着
挨拶
食事開始
食事集合
入浴開始
入浴終了
クラス・班・係会議
振り返り
就寝準備
就寝
ざっとこんな感じで書いてあります。
座席表
新幹線、バス、食事の席など
部屋割り
男女フロア別が主流です。
看護師の部屋
・看護師の部屋兼保健室
・看護師の部屋、女子保健室、男子保健室
・看護師の部屋兼女子保健室、男子保健室
・看護師の部屋兼女性の先生と
同室兼女子保健室、男子保健室
・看護師2名(ペア添乗の場合)
といったパターンなどにわかれます。
仕事を受ける前に
事前に説明があることもあれば
当日判明すること、
急遽同室になることもあります。
安全安楽に、お互いが
気持ちよく過ごすことができるように
柔軟な対応と
コミュニケーション能力が求められます。
クラス名簿
最近の子はお名前が
キラキラしていて読めないことも多々…
ふりがなをふっていただくと助かります
とよくお伝えしています。
おこづかい帳
出納をかけるようになっています、
几帳面な子は1円単位でびっしりと、
反対にまっさらな子もいます。
振り返りシート
就寝前にクラスや班ごとに振り返りを行い
記入することができるようになっています。
修学旅行後には振り返りとして
作文や新聞、スピーチなどの
事後学習があるみたいです。
お礼の手紙づくりといって
お手紙を頂いたことがあります。
健康チェックシート
起床時やポイントで保健係などが記入します。
体調不良者が出た場合は報告してもらったり、
しおりとは別に健康カードとして添付、
提出する学校もあります。
緊急連絡先
学校の所在地や連絡先
自宅の連絡先
既往やアレルギーなど
大人のしおり
先生たちのしおりには生徒さんに
配布する行程表に別枠が追加された形で
動きが載っています。
具体的には夜の見回りとかですね、
しおりに載っていては
賢い生徒に対応されてしまいますからね!
夜の見回り一例
22:00 就寝準備
22:30 就寝
就寝見回り(交代しながら)
23:30 職員打ち合わせ
深夜見回り
(適宜または夜通し)
4:00 早朝見回り
見回りの時間や方法、
打ち合わせの時間やタイミングは
学校さんによって異なります。
最近では時間短縮のために
LINEを使って報告しつつ
簡単に済ませる学校さんも
増えてきているイメージです。
それでも行程中のトラブルや
生徒指導の関係でなかなか
打ち合わせがはじまらない(0時以降)ことや
打ち合わせが1時間以上かかる場合もあります。
看護師が見回りをお願いされることは
ほとんどないです。
しかし、打ち合わせ後に
自身の入浴や就寝準備をしたりすると
就寝は1時近くになり、
起床は生徒が起きる30分前くらいと考え、
4〜5時間の睡眠時間になるでしょうか。
さらに同室の生徒や夜間観察が必要な生徒が
いる場合は途中で起きたり、
夜間に呼び出されることも多々あります。
先生方はさらに深夜と早朝の見回りがあり、
2〜4時間しか寝れない、
または徹夜だったりするみたいです。
大人のしおりのその他
・担当表
・見回り表(施設や自由行動での配置)
・生徒へのサプライズ企画
・お互いの連絡先
看護師の欄や添乗員さんの欄が
空欄になっていて
当日書き込むということがあります。
個人情報の取り扱い
しおりは個人情報のかたまりです、
行程終了時に学校へ返却します。
返却物
・しおり
・生徒のリスト
(薬やアレルギー、既往などがかかれたもの)
・学校から借りた救護バック
私はいちいちしおりを開かなくていいように、
しおりを写真に撮って、
行程表は待ち受けにして
すぐ確認できるようにしています、
こちらも個人情報と同じ扱いだと
思っているので行程が終われば消去します。
思い出だからしおりは持って帰っ
てコレクションしておきたい!
なんて思ったこともありますが、
仕事として看護師として弁えるべきところです。
名前はもちろん、
中には病気やアレルギーを
他人に知られたくない人もいます。
行程中のしおりの取り扱い、
とくに放置や紛失には十分気をつけるべきです。
置きっ放しの大人用のしおりを生徒に見られて…!
なんてトラブルになりかねません。
まとめ
何気ないかと思われがちですが
実は奥が深く、
しおりを制するものはツアーを制する!
なんて言ってみたり…
ツアーの序盤は
しおりを読み込み全体のイメージを
掴むことがポイントです。
なので、もらっていない場合は
挨拶と同時に
真っ先にしおりを貰いにいきます!
はじめは変な遠慮?をして
言い出せなかったことがありましたが
今では挨拶、名刺渡し、しおり受け取りが
ファーストコンタクトの流れです。
しおりの読み込み、
病棟の仕事に例えるのなら
受け持ちの情報収集、のみならず
全体の流れや留意点を掴み、
リスクマネジメントを行う
「リーダー業務」のようでしょうか。
アセスメントをもとに、
事前に先生や対象者へ予防策を伝える。
ツアーの行程自体はその道のプロである
添乗員さんが行ってくれますが、
健康面、安全面は
先生と連携して
看護のプロである自分が
主体的に行わなければいけない
という責任感があります。
なにかが起こってからの対応は大変なので
まずは起こらないための予防!
これだけでツアーの
やりやすさが変わると思います。
はじめは行程に口出しする、
ミーティングで意見するなんて
勇気が出ないことだと思います、
私もそうでした。
経験を積むとツアーの比較
ができて気づきが増えたり、
改善点を述べて
貢献することができるかと思います。
しおりはそのツアーを体現する貴重なもの!
「しおりを制する者は旅行を制す。」
と、いうことでした。